療育内容について~コミュニケーション編~

Q.お友だちと遊べない

A.お友達との関わり方を教える練習として、一般的にソーシャル・スキル・トレーニングがあります。この方法は、口頭での練習がほとんどです。
ですが実は、発達障害のお子さんは視覚優位という特性のため、口頭でのやりとりは目に見えずわかりにくいのです。
そこでコロロでは、机上の学習で「書いて覚える→それを手掛かりに実際にやってみる」というステップで練習をしていきます。
文字で書くということで、イメージしやすく、また、記憶に残りやすくなります。
また、発達段階に関わらず、返事とあいさつを教えることは欠かせません。ありがとう、ごめんなさいが素直に言える練習をしておきます。さらに、相手が言われてうれしいほめ言葉や良い言葉を教え、トラブルになりやすい攻撃的・反発的な言葉は使わせないようにしましょう。

① 衝動性のコントロール
見たこと聞いたことに対してつい喋ってしまうのは、身体的に目・耳・口の未分化が原因です。そのため、一見流暢に話せても、言葉の意味内容が分かっていないことが多く、誤解や混乱の原因になります。日頃のやりとりを口頭で済ませず、日記・書写などを通じて考えると効果的です。よく考えてから話す習慣がついたら、声の大きさや相手と話すときの距離感など具体的に教えていきましょう。

② 自己中心的思考の修正・気づきを直す

一方的に自分の言いたいことを発言してしまのではなく、相手の言葉を聞いてやりとりする練習が必要です。まずは、実際あったことを文字学習で整理し、間違ったり偏ったことばは修正して、ロールプレイングも取り入れましょう。
文字学習の例は、発達プログラム151号のP43もご参考ください。

発プロNo.123参照)
発プロNo.151参照)

Q.家の中で母の後追いがひどく、少し出かけただけでも大騒ぎになってしまいます。

A.ことばの理解が難しい発達障害のお子さんは、行動がパターン化しやすく人や物、環境に対するこだわりが強くなりやすいです。お子さんにとって、お母さんが最大のこだわりになってしまっています(コロロでは固着とよんでいます)。
お子さんの場合、おうちでも園でもお母さんと離れる時間がほとんどないため、このままではお母さんへの固着のパターンが強くなってしまいます。
固着状態を軽減するためにも、できるだけ早く集団参加の機会を作ることをおすすめします。
ですが、現状では激しい泣きやパニックが予想されますので、まずはご家庭で少しずつお母さんと距離を置く練習をしていくことをお勧めします。
・だっこやおんぶの要求はさりげなくかわし、適度な距離感をもって生活する
・机をはさんで、簡単な作業や学習をする
・お家の中でお母さん以外の人と過ごす練習をする
など、家の中でお母さんにくっついて過ごす以外のパターンを作ることを目指しましょう!
発プロNo.123参照)