療育内容について~生活編~
A.手のつなぎ方がとても大切なコツです。手をつなごうとして力を入れて握りこんだり、歩かせようとして引っ張るとうまくいきません。では、具体的にどのように手をつなげばよいのでしょうか。
周期的に手を離そうとする仕草は、手をつなぎたくない、歩きたくないというわけではなく、無意識に起こっている原始反射(手の把握反射)です。大人の手が触れることが刺激となって引き起こされます。この手を離そうとする仕草を出さないポイントは、子どもの手の下に大人の手をそっと支えるように差し出して、子どもが上から握るつなぎ方です。子どもにとって、ここに手をおいているといいんだ、ということが伝わりやすくなります。
(発プロNo.145参照)
A.コロロに初めてきたお子さんのほとんどが、その日のうちに集団で活動し、座って学習ができるようになります。子どもが見てわかりやすい集団をつくり、子どもが興味を持てる教材を工夫すること、テンポよくつぎつぎと教材を提示することで、座り続けられるようになってきます。
A.お子さんが自分で歯を磨く練習の目標は次の2点です。
①上手なブラッシングの練習。
②自分で磨いた後、必ず大人のチェックを受ける習慣をつける。
前提として、最低3分間は口を開けて大人に歯磨きをしてもらう練習をしておきましょう。そして、大切なのは大人のチェックです。自分で歯を磨く練習をはじめても、大人にきれいに磨きなおしてもらう習慣がつけば、自己流歯磨きや歯磨き嫌いを防ぐことができます。
上手なブラッシング指導は、鏡の前にお子さんが立ち、大人が背後からお子さんの手を介助する方法です。導入としては、横磨きを基本とし、上奥歯、下奥歯、前歯など位置によって手(ブラシ)の向きや動かし方が変わることを経験的に学ばせます。
10~20回手を添えて一緒にブラッシングし、その後一人でさせてみます。続けられないときは肘あたりを軽く介助し、1か所につき20~30回ブラッシングさせるようにしましょう。また、ブラッシングの途中で口を閉じたり、歯ブラシを噛んでしまったりする場合は、片方の奥歯にものを噛ませておくと安定します。
ブラッシングが上手になると、大人はつい安心してチェックが甘くなるものです。そんなときのためにも、「磨いたから見てください」と忘れずにチェックを受けることを教えて習慣化させましょう。
(コロロメソッドによる自閉症療育―くらしの力を育てる―)