療育内容について ~発語・会話編~

Q.無発語ですが、話せるようになりますか?

A.コロロ入会時に無発語だったお子さんが、文字を使った学習指導「発語プログラム」などにより発語したケースは数多くあります。学習や発語訓練だけでなく、歩行や着席注視など行動面のトレーニングを合わせて行うことで、発語獲得の可能性は高くなります。コロロでは、無発語のお子さんの発語を目指し、個別プログラムを組んで指導いたします。

Q.奇声が出ていますが発語がありません。

A.「奇声」は「手をひらひらさせる」「からだをゆする」などの常同行動と同様に、無意識的に出てしまっているものです。
これは脳がしっかり働いていない時に出てしまうものなので、積極的に止めていく必要があります。
せっかく言えるようになったことばや発声を止めると、ことばが出なくなるのではないかとご心配されるかもしれません。
ですが、実は、無意識的な発声や独り言をお子さんが意識的に止められるようにならないと、ことばは育ちません。
コロロでは独自の発語プログラムによって、机上の文字学習からことばを引き出してゆきます。まずは、シール貼りや作業など簡単な課題からで良いので、座って学習をする態勢づくりに取り組みましょう。
発プロNo.124 参照)

Q.学習指導とは具体的に何をするのですか?

A.コロロが開発した概念学習プログラム「発語プログラム」に基づいて、個別にプログラムをたて、言語概念獲得のための学習指導を行います。
ものの名前がわからない、発語がない、という段階のお子さんには、カードのマッチングや模写、書字学習などを通じて、発語を促すプログラムを行います。
話せるようになったお子さんには、会話に向けての言葉のやりとりの学習や、言葉を使って考えて読み書きする学習を行います。
コミュニケーション力をのばし、考えて行動する力を身につけることを目指します。自閉症児は視覚的な認知力が高いという特徴を利用し、文字を使った学習を中心に学習指導を進めます。

Q.独り言が多く困っています。

A.「独り言」は無意識に出てしまっていることが多いので、注意してもしばらくすると結局繰り返してしまいがちです。
ぼんやりしているときや、手持ち無沙汰にしているときなどは、特に独り言が出やすいと思います。できるだけ、目的行動(すべきこと)を指示して、ぼんやりさせないようにし、頭と体を使う時間を目指しましょう!
また、口を閉じ続けることが苦手なので、立位や正座などの静止のトレーニングを日常的に行うことが有効です。
口だけでなく、からだ全体や手足が動いていませんか?からだの大きい動きを止められなければ、口元に意識を集中させるのは難しいです。静止トレーニングで止め続ける力をつけていきましょう。

Q.たくさん話しかけるようにしていますが、ことばが増えません。

A.定型発達児の場合、日常的な関わりの中で人のことばを聞いたり真似をしたりするうちに、ことばを自然に獲得していきます。
ですが、多くの自閉症児の場合、ことばを聞き取ったり、真似をしたりする力が弱いため、同じように繰り返しことばをかけても、なかなかことばが身についていきません。
わからないことばをかけ続けると、BGMのように聞き流してしまったり、雑音として捉え、落ち着かなくなったり怒ったりしてしまうことがあります。ですから、子どもにとってわからないことばをかけ続けることは、あまりおすすめできません。
コロロでは、ことばを増やすためには「絵を見て字を書く」ことが有効、と考えています。「聞くこと」よりも「見ること」の方が得意な傾向があるからです。書くことによって、目で見て確認できるため、後には残らない音声言語よりも、ことばを認識しやすくなります。
発プロNo.124参照)